ChatGPTのメモリを全消去してしまったとき、どう立て直したか

はじめに

一度、ChatGPTのメモリをすべて消してしまったことがあります。メモリがいっぱいになったという警告が表示された際、操作を誤って全メモリを消去してしまいました。

意図的に整理したというより、完全に操作ミスだったと思います。消えたと気づいたとき、心臓がぎゅっと縮むような感覚があり、背筋がぞっとしました。正直に言えば「やってしまった」と強く感じましたが、それでもその出来事で作業が完全に止まってしまったわけではありませんでした。

前提として書いておくと、私はChatGPTを課金して利用しており、用途の異なる複数のプロジェクトを分けて管理しています。日々の雑談や一時的な相談ではなく、継続的な執筆の原稿や資料の整理作業の補助として使ってきました。そのため、メモリや指示文は「便利な付加機能」というより、作業環境の一部として扱っています。

消えて困ったこと

メモリが消えたことで、とても困りました。プロジェクトの前提条件がすべて消えてしまったのですから、気づいた瞬間は背筋がぞっとしました。実際、一時的にやり取りが噛み合わなくなり、こちらの前提を一から説明し直す必要もありました。

作業効率は明らかに落ち、心理的な負担も小さくはありませんでした。どうやってこのメモリを立て直せばよいのか、その場でしばらく考え込みました。

それでも、混乱の中で何を優先すべきかを一つ一つ考え直しながら、手探りで判断を続けていました。判断が完全に止まってしまったわけではなかった、ということは、落ち着いて振り返ってみて初めて言葉にできた点です。

なぜ立て直せたのか

補足として少しだけ整理しておきます。

ChatGPTの「メモリ」は、文章ファイルやクラウドストレージのように、情報をそのまま保存しておける場所ではありません。過去のやり取りや設定を“倉庫”のように蓄積しておく仕組みだと誤解されがちですが、実際には、対話の前提や傾向を保つための補助的な仕組みに近いものです。

私の場合は、プロジェクトごとに応答の決まりや前提条件を細かく設定しており、メモリはそれらの前提が共有されている状態を保つ役割を担っていました。保存された内容は、パーソナライズ設定の画面から一覧で確認することはできますが、必要な部分だけを書き換えるといった直接的な編集はできず、ユーザーが自由にコントロールできるものでもありません。

こうした使い方をしていたことを踏まえると、メモリが消えたことは「データが失われた」というより、「プロジェクトごとに積み重ねてきた対話の前提がリセットされた」と捉えたほうが、私の感覚には近いように思います。

どうやって立て直すか考える中で、プロジェクトごとに指示文を書いていたことを思い出し、それを利用できるのではないかと思いつきました。結果的に振り返ってみると、プロジェクト用に残していた指示文の存在が大きかったように思います。

繰り返しになりますがChatGPTのメモリ内容は、ユーザーが直接編集できる仕組みではありません。そのため私は、ChatGPTと相談しながら進める形を取りました。まずプロジェクト用の指示文を読み込ませ、そこからメモリに登録すべき内容を考えさせます。その提示内容を見たうえで、私自身の判断で修正を加え登録を指示するという手順です。そのため、メモリを登録し直す作業は「思い出す」というより、「必要なものを選び直す」感覚に近いものでした。

つまり、
① 指示文を読み込ませる
② メモリ案を提示させる
③ 自分で取捨選択・修正する
④ 登録して様子を見ながら調整する
という流れを、対話の中で繰り返していたのです。

最初のメモリは雑然としていました

ChatGPTを使い始めた頃、何でも「記憶しますか?」と聞かれ、そのまま流れに任せて登録を続けていた時期がありました。その結果、メモリには断片的な情報が次々と溜まり、後から振り返ると、整理されているとは言いがたい状態だったと思います。

しばらく使っているうちに、内容が重複したり、以前と矛盾する前提が登録されているのではないかと感じる場面も出てきました。実際にChatGPT側の応答が不安定に感じられることがあり、こちらの意図がうまく伝わらない原因の一つになっていた可能性もあります。

すべてのメモリを誤ってリセットしたことで、結果的に何を登録するべきかを改めて考え直す機会になりました。プロジェクトごとに必要な前提を整理し、登録時には矛盾がないかを確認するようになったことで、メモリの役割がはっきりしたように感じています。

振り返ってみると、このリセットは単なる失敗ではなく、メモリの扱い方を見直すきっかけになりました。最初から完璧に運用できていたわけではないからこそ、一度立て直した経験が、今の使い方につながっているのだと思います。

指示文も最初から正解ではありませんでした

そもそも、その指示文自体も最初から完成形だったわけではありません。ChatGPTに案を出してもらい、実際に使ってみて違和感があれば書き換え、不要だと感じた部分は削ってきました。

思うようにいかず、何度も試し直す中で、正直に言えばイライラしたこともあります。それでも、何度もブラッシュアップするうちに、何を残せば自分の作業が楽になるのかが、少しずつ見えてきたように思います。

専門家ではありません

私はITの専門家ではありません。仕組みを詳しく説明できる知識もありません。ただ、自分が考えるときに邪魔にならない環境をつくりたいという思いで、ChatGPTとの付き合い方を調整してきただけです。その過程で、ChatGPTと対話する形でメモリを編集できることに気づき、その点に助けられてきました。

おわりに

このやり方が誰にでも合うとは思っていません。ただ、プロジェクトごとの設定を保ちつつ思考を切り替えられる環境があったことで、私は自分の考えを保ったまま作業を続け、それぞれの作業を中断せずに継続することができました。その事実を記録として残しておきたいと思っています。

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